飲食店の人件費コントロール—パート・アルバイト(P/A)の労働時間は固定化するな

6 月 12th, 2008
ナショナルチェーンの外食産業は別にして、ローカルチェーンでもよく見かけるのが、P/A人件費の固定化です。例えばP/Aを雇用した際に、山田さんは毎日10時~15時、鈴木さんは12時~17時などと固定化してしまっています。これでは売上が下がったり、停滞しても人件費が固定的にかかるため、コントロールができず損益分岐点は下がりません。それでいて、このような店ではP/A各自の都合によって勝手に休みを取られたりすることが多く、肝心な日曜日や祭日、夏休みなどに人手が不足し、料理提供が遅れたり、サービスが行き渡らないでいます。

 

 

このような店の場合、各時間帯の固定作業の見直しを行い、標準化を図る必要があります。具体的には誰にでもできるよう各作業の道具や手順、範囲や量、完了後の質的レベルを決め(マニュアル化)、作業に要する必要人時(マンアワー)も測定し、標準時間を決める必要があります。また、利用客数や売上の予測に合わせて変動する作業(仕込み作業や接客適正人員など)も、自店の標準(例えば売上5万円ごとの仕込み量や適正人員など)を決めます。

 

 

さらに現在のP/Aの個人レベルの考課(各作業の習熟度を見極め、現状の個人別の作業レベルやサービスレベルを把握すること)を定期的に行い、期待レベルを定め本人にも納得させてトレーニングすることも必要になります。これらを基にして適正な時間数、適正なP/Aの組み合わせ(例えば、新人とベテランを組ませ、サービスレベルを維持すること)を行い、各自の勤務可能曜日や時間帯を調整した上で週間でワークスケジュールを組みオペレーションを行います。

 

 

大変なように見えますが、店長などを中心に(中小店の場合は社長自らが主導し)とにかくできる範囲で決め事をつくり実施することです。後は店舗を運営しながら調整すればよいでしょう。ポイントは必要最小限の人員でワークスケジュールを組むことです。多少荒療治ではありますが、結果的には必要最小限の人員のため各自が育っていき少数精鋭となります。今まで何もしていない、させていなかったことに気づくことになります。外食産業は精鋭が少数集まってオペレーションして少数精鋭となるのではなく、このような状態が少数精鋭をつくり出すことになります。

人件費管理に関する基本公式⑥—労働分配率

6 月 11th, 2008
労働分配率=人件費÷粗利益粗利益に占める人件費の割合を表します。労働集約型の外食産業では、長・中期の経営計画を作成する上で、最も大切な基本指標の一つです。従って、時点が標準値に収まっていない場合、原材料費率と人件費率のバランスを今一度、見直してみる必要があります。企業によってはメニュー数や調理加工度、厨房設備や店舗レイアウト、オペレーションなど全てに関する抜本的な改革が必要となります。

(標準値38~42% 目標値35~37%)

人件費管理に関する基本公式⑤—売上高対人件費率

6 月 11th, 2008
売上高対人件費率=人件費÷売上高
(標準23~28% 目標25%以下)

恒久的な若年労働者の人手不足から、今後も人件費の高騰が続くことが予測されます。また、売上の絶対値、地域、企業規模などによる格差があるため、適性値に含みを持たせてあります。この適正値には社員の法定福利費や福利厚生費など、通常の人件費は考慮して設定していますが、企業によっては募集費や研修教育費まで人件費として含めて考えているところもあり、標準値+2~3%となることもあります。

人件費管理に関する基本公式④—人時生産性

6 月 10th, 2008
人時生産性=月間粗利高÷総労働時間数
(1人1時間あたりの粗利益)

基準値としてよく用いられます。理由は大手チェーンから中小店まで、企業規模により実労働時間や変則勤務体制など労働条件が大きく異なるためです。また、業種・業態により客単価やサービス形態が異なり、粗利益が様々に変化するためです。
現状では各企業により標準値が異なりますが、高いほど良いのはいうまでもありません。1人あたりの実質上の稼ぎ高を示し、労働分配率同様、中・短期など経営計画を作成する上で基本指標の一つとなる重要なものです。

人件費管理に関する基本公式③—労働生産性

6 月 9th, 2008
労働生産性=月間荒利高÷換算人員

換算人員は社員数+P/A合計時間数÷社員月間平均労働時間(180~200時間)として算出します。標準の目安は月間で60万円以上で、目標は70万円以上といったところです。

人件費管理に関する基本公式②—人時接客数

6 月 9th, 2008
人時接客数=来客数÷総労働時間数
標準値:3.5人以上 目標4人以上
労働指数、接客生産性とも呼ぶ。サービス、キッチンなどの担当を問わず、社員とP/Aを含めた1人1時間あたりの接客人数(対応人数)を示します。従って、人時接客数×客単価=人時売上高となります。標準値は、ファミリーレストランを基準としています。喫茶店やコーヒーショップなどの場合、人時接客数は目標値の4人でも客単価が800円なら、人時売上高は3200円となり目標以下となります。業態により、人時売上高と人時接客数の双方でのチェックが必要になるのはこのためです。

人件費管理に関する基本公式①—人時売上高

6 月 9th, 2008
飲食店に必要な人件費管理に関する基本的な指標として使う公式です。

人時売上高=売上高÷総労働時間数

ニンジ売上高と読みます。サービス、キッチンなどの担当を問わず、社員とパート・アルバイト(P/A)を含めた1人1時間当たりの売上高です。当然、高いほうがよく、生産性も高いことを示しています。この数値は客単価が高い業態が有利となります。
従って、各種業態を持つ他店舗化企業が各店を対比する場合、後に説明します人時接客数も合わせてチェックする必要があります。目標値はどの業種、業態といえども5000円を目指すべきです。